ぶたみみたぶblog

クスッと笑える日常を

女たちの島

わたしがまだ20代前半のころ、高校時代の友達3人で3ヶ月の旅をした。90日間FIXの航空チケットを60,000円程で買い、成田→サンフランシスコ→ロサンゼルス→メキシコシティ→ニューヨークと飛行機の予定だけを大まかに計画して旅を開始した。

iPhoneなんてまだ無い時代、街に着いてから安宿を探す。英語もスペイン語もほとんど話せないわたしたちが無鉄砲にもほどがあったかもしれない。でもなんとかなったし、今でも心から楽しかったと思える旅となった。その後も旅はたくさんしたが、中でもこの旅で行ったメキシコは、楽しかった旅ランキング上位に入る。

メキシコシティではルチャを見に行ったり、市場へ行ったり、テオティワカン遺跡(世界で3番目に高いピラミッド、自由に頂上まで登れる)に行ったり。チワワからロスモチスまで長距離列車の旅をして、壮大なコッパーキャニオンに圧倒されたり、電車で乗り合わせたメキシコ人の家族と仲良くなり、電車の旅が終わった後も一緒に海へ行ったり、帰りの空港まで見送ってもらったりと、素敵な出会いに感謝した旅だった。 f:id:butamimitabu:20220927005548j:image

お金に余裕のない旅にもかかわらず、わたしたちはメキシコのリゾート地カンクンにも行った。カンクンにはわたしたちが泊まれるような安宿はなく、ついに野宿かなと考えながら、ひとまず高級リゾートホテルに行き、安いホテルはないかと聞いてみた。ホスピタリティ溢れるスタッフが、場違いなわたしたちに、イスラムヘーレスに行けば安い宿があると親切に教えてくれた笑、グラシャス。

イスラ.ムヘーレス、スペイン語でイスラが島で、ムヘーレスが女、つまり女たちの島。わたしたちの島があるんだ‼︎f:id:butamimitabu:20220927002426j:image f:id:butamimitabu:20220927005519j:image

イスラムヘーレスはカンクンから13kmの位置にある全長8キロの長細い島、船で20分。もうそこは楽園だった。真っ白な砂浜と鮮やかな青い海。かわいらしい熱帯魚たちやビーチの綺麗な貝殻。街並みは色鮮やかで、まるでカラフルな絵本の世界。夢中で拾った貝殻はいまでもわたしの宝物で、時を経て我が子が目を輝かせて見てくれるのは嬉しい。  f:id:butamimitabu:20220927005510j:image 
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街のお土産屋さんのシルバーやターコイズのアクセサリーも素敵だった。美味しいイタリアンの店もあり、全てがパーフェクト。

肝心の安宿は、しっかり古くて笑、カギもガタガタ笑、でも不思議と不安はなく、居心地がよくて1週間の予定が、延長して3週間滞在した。ランチ用のトルティーヤと豆のペーストとサルサソースとポテトチップとマヨネーズを持って海へ行き、飽きるまでボーっと海で浮かんで過ごす。お腹が空いたらトルティーヤにさっきの食べ物を全部挟んでかぶりつく。絶品だった。

島を周遊する時はゴルフカートを借りて回った。イルカや海亀、ジンベイザメ、イグアナにも会えた。夜はビーチのカフェやクラブがあり一日中楽しめる。Ricky Martin の Livin' La Vida Locaが当時流行りまくっていて曲がかかると島人もツーリストもノリノリで踊っていた。後に郷ひろみがカバーしたアーチーチーアチ♪のあの曲ね。

ビーチでトルコから来ていたツーリストに日本の歌を教えてと言われて、とっさに思いついた童謡の桜を教えた。サークーラーサークーラーとテンポの遅い曲を選んだのは失敗だったなと反省。そしてそのトルコ人が着ていたTシャツに「え」と、ひらがなが1文字プリントされていて、これどういう意味?と聞かれ、ただの文字だよ。って言ってしまい、、気の利いた答えが出せなかった自分にまた反省。絵画の事だよ‼︎とかね、What?だよ‼︎とかね、もう遅い。20年以上遅い。

仕事や家事や子どもの事や実家のなんやかんやで自分の時間がなかなかとれない今、当時を思い返すと、ほんとうに素晴らしい貴重な経験をしたなと思う。旅へ行く時間やお金、一緒に行く気の合う友達、無謀な旅を許してくれた家族、条件が揃った奇跡、感謝です。グラシャス。ムーチョ。ムーチョ。

そう、アメリカとメキシコでRicky Martin が流行っていたころ、日本ではわたしたちが知らぬ間に、だんご三兄弟が流行っていた、ダンゴ♪

 

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